そういえばその時もスルーされた記憶。
平日、ライブの帰りで最寄り駅に着いたらばホームにて職場の人を見かけたので、ライブの良い余韻で声をかけようと思い近づいた。
目があったが、無視されむしろ歩く速さが上がった。普段制服姿で私服を見慣れてない僕は、途端に自信が無くなる。
人違いか、それとも顔を合わせたくないか、どちらにせよ。
階段を3段飛ばしくらいの勢いで小さくなる背中にかける言葉は口元で息絶えた。
落ち込みつつも気を取り直し、牛丼のテイクアウトでもしようと店内で待っていたら、さっき逃げた人間がいた。目があった。逸れた。
視力よ無くなれ!と思いつつ待つ地獄。
職場ではそこそこ喋りますよね…!?と思いながら、やっぱり他人の空似の可能性もある…とモヤモヤした。
今は優秀な視力を憎く思いながら待つ松屋。