自己照会

祝詞勢いです。

洗濯機の陰でなくものたち

弟と電話していたら2時間半経過していた。

 

遠距離恋愛カップルかよ。と思う。

妻に迷惑かと思いリビングではなく脱衣所、イヤホンで通話していたらバッテリーが途中で死んだので洗濯機の上に置いた。

 

置いたのが間違いだった。コロコロと背面に落下した。昔眼鏡を落として手出しできずにいた世界。通話中に諦めようかと考えていたが、数万もした高価なイヤホンなので踏みとどまって探すことにした。

 

クイックルワイパーの持ち手の部分でほじくり出そうとするがホコリしか出てこない。

困った。どこにあるかわからないのでスマホのカメラで撮影し画像を確認する。

それらしき白色が写っているのでそこにはあるみたいだ。

クイックルワイパー、ホコリ、ハズレ。

クイックルワイパー、ホコリ、ハズレ。

クイックルワイパー、イヤホン、アタリ!!!

それでも片耳分だ。

もう片方の相棒は今もどこかで泣いている。

カメラで撮影し確認するが写っていない。奥に入り込んでしまったようだ。

どうする。どうする?鏡を見る腕が数ヶ月前より逞しい腕と太ましい腹回りの自分がいた。仕事で重量物ばかり持っているのだ。やれるのではないか。

 

洗濯機を動かすことにした。ドラム式洗濯機は重いと聞く。この6年間動かそうと考えたことなど無かったが、一渋沢半栄一は流石に惜しい。

「たかがドラム式一つ自力で動かしてやる!」アクシズを押し出そうとするアムロみたいなセリフが浮かんだ。

故障のリスクも浮かんだが、思いついた想像は、実行されなければならない性分だ。

片側を浮かせて手前に動かす。意外に動く。こいつ動くぞ。アムロもニッコリだ。

 

簡単に動いて拍子抜けした。イヤホンはホコリまみれになっていたが無事救出された。

今この文章をあの時無くした眼鏡をかけて打っている。嬉しい。

イヤホン、落下してくれてありがとう。

ありがとう、三渋沢栄一。ありがとう、アムロ