自己照会

祝詞勢いです。

ゆめ いち

小学校の校舎。

 

地下一階から地上五階建になっていて、地下一階に一年生、五階に六年生といった具合に進級に比例している。

 

殺風景なコンクリート造りの階段を五階まで上がる。急いでいる訳でもない、気持ちゆっくりな程だが、それだけで息が上がる。

その間にも子どもたちが何人も駆け上がって追い抜いていく。加齢を感じる。

そもそも作りが全体的に小さいのだからリリパットに迷い込んだ気分である。

 

さて、五階に来たものの肝心の用事を思い出せずに立ち尽くす。いつもの記憶喪失だ。

窓から差し込む光が眩しい。

特段変な様子も無い。これから何か起こる予感はあったが、感じているだけでは、何も進まない。

いつも巻き込まれる性格だ。

 

なんとなく、地下一年生の所まで降りてみようと下る。階段。

二階辺りから匂いが変化している事に気づいた。

プールの更衣室の臭い。塩素と人のなにかしらが混じった。強くなる。腐敗臭?

気になって三年生の廊下を覗き見た。

虚な目でこちらを見る子ども。微動だにしない。猫背気味でこちらを見る子ども。フレームレートが下がってカクついた動き。

 

見なかった事にして下りていく。

その時で帰ればよかった。

 

臭い。