例年よりも圧倒的な速さで梅雨明けした沖縄行きの機内は目が乾いて仕方がない。乾燥と耳元の間奏は韻を踏んでいるが、全く効き目がない。
どこかで化学反応を起こさねばならない。
なぜならツーウィークコンタクト最期の日。
それが、今日だ。
そもそも仕事中から乾きを感じて仕方が無かった。
右目の視力は曇って失われかけていたからその都度目薬の嵩は減る。常に泣いていたように見えたかもしれない。仕事中は亡くなった祖母のことを考えたり、学生時代に行方不明になった友人の事を思ったりいつもの泣きパターンを想像したのだが、十年以上使い古したネタである。昔と違っていつでも効果を発揮!というわけにはいかない。装用時から苦しんで半日以上、南下する機内。なんか出来る事ありますかね。
なんかで無理矢理踏んでも踏んだり蹴ったりに拍車が掛かるだけではないか。
機内持ち込みの荷物に目薬を入れた、と思っていた。
君は、いない。