山に囲まれた町に住んでいる。
太陽が沈むとあっという間に暗くなる。街灯もない。
この町で暮らし始めて一日目、ヘルメットをしないバイク乗りと無灯火の車をほぼ同じタイミングで見かけてこの土地の怖さを知った。
簡単に轢かれて死ぬかもしれない。
なにせ歩行者はほぼ闇と同化している。存在していないようなもんだ。
山の向こうが何度か光った。落雷だろうか。
少し明るくなったかと思えば、どんどんと山は輪郭を失って、消えた。
僕の視線の先には闇、ただそれだけしかなかった。
まだまだ残暑が厳しいが夜出歩くのは控えようと思った。
自転車のカゴから飛び出したマクドナルドの紙袋。月見は一回転。路側帯に転がって
年甲斐もなく泣きそうになった。夜は怖い。